« ミツバチの呟き | トップページ | ザ・ローズ♪ »

永い人生の中で開ける ひとつの扉(鳥さん編)

    ブロ友の鳥さんより 随筆の投稿依頼がありました。遠きやさしき懐かしい時代・・

    誰しも心に残る風景や音楽・・・ その核にある思い出のひとつひとつ 

    こんなふうに形にするのも素敵です^^ 是非読んでみてくださいね^^

    随時 投稿依頼受付中です!メールフォームから連絡ください (*^^*)

/

/

岳夫のまどろみ 青春編

Unknown_parameter_value1

岳夫が永年勤めてた会社を定年退職してから、かれこれ7年が過ぎている。

持て余す時間を消化する為でもあるが、旅行が好きで行ける時には行っておこうと

考えている。 今日も好きな旅に出かけ 帰って来たところだ。

岳夫は旅先での写真をもとにして 旅ブログを書いている。ブログを書き始めて

四年半。 下手なブログでも読んでくれる人が増え 感謝している。今日も旅から

帰った岳夫は、写真を整理するためパソコンに向かった。パソコンはいつも

ラジオ放送が聴けるようセットしてある。

パソコンを操作しながら ふと耳を澄ませた。 

「 あの歌だ。。。」 岳夫がつぶやいた。

岳夫は少しだけボリュームをアップし、静かに目を閉じて 流れる歌を聴いた。

/

晃子が転校してきたのは中学三年の春だった。 B組の担任に連れられA組に

挨拶に来た時、岳夫は一目見て 可愛い女の子だと思った。 特別の美人では

ないが、新鮮な可愛らしさがあった。 クラスが違ったので 話もできなかったが、

それからの岳夫は、晃子の姿を探すのが楽しみとなった。

今まで気になる女の子もいたが、今度は特別だった。 休み時間に用もないのに

隣のB組に行き 晃子を探していた。 晃子もなんとなく岳夫の様子が分っていた

ようだった。 やがて挨拶をしたり話しができるようになった頃には、二人の中学

卒業が迫っていた。

/

二人が住む小さな町には高校が無く、大半の学生が隣町へ汽車通学を始めた。

晃子とは入った高校が違っていたが、朝夕の通学時には顔を合わすことができた。

汽車通の列車の席は向かい合わせの四人掛けで、 岳夫と晃子は いつも同性の

友だち同士で座っていた。汽車通の座席は一度決まると 卒業するまで朝も夕も 

固定されて、それを破るのはたとえ先輩でも許されない絶対の掟であった。

から 高校生活の汽車通学で 二人が一緒に座ったことは一度も無い。

高校ニ年になると三年生が卒業して列車の席が空き、移動して二つのグループ

の座席がグンと近づいた。 

岳夫は通学の朝夕に、秘かに晃子との目線を楽しんでいた。 晃子も岳夫の 

はにかんだ視線を 好意的に受け入れてくれているようだった。 ある日、決心を

して晃子を映画に誘ってみた。 晃子は 「友だちと一緒でいいなら行くわ」 と返

してくれた。 岳夫は内心で叫んだ。 

「 あ~ 神様ありがとう 」

学校の帰りに映画を観るのは、良いことではない。まして高校生の男女 が……。

そんな時代であった。 だが二人の気持がそうさせた。 初デートは晃子が友連れで

あったが、岳夫が喜んだのは言うまでもない。 それ以来そんなデートが三回ほど

あった。 しかし岳夫と晃子の友情の深まりに関係なく、高校を卒業する日が来て

しまっ た。

二人の進路は晃子は就職して町に残り、岳夫は東京の大学に行くことに なっていた。

二人はもっと高校生活が続けば良いなと思ったが、そんな願いが叶うはずもなく

二人の楽しい高校生活は終ってしまった。

Unknown_parameter_value

/

三月末、いよいよ岳夫が東京へ発つ日がやって来た。

旅立ちの朝、晃子が心配そうな顔をして 駅まで見送ってくれた。

列車が動き 段々小さくなっていく晃子の姿を窓に見て、岳夫はこれまでに

経験したことの無い、とてつもない寂しさを感じたのだった。

/

/

東京に着き、すぐに晃子との文通が始まった。 十日に一回の手紙を下宿のおばさん

が 笑って渡 してくれる時には、いつもちょっと気恥ずかしかった。 時々写真もやり

取りしたが、写っている晃子の顔はいつも笑っていた。

そして数ヶ月…… さらに数年…… 月日は過ぎて行った。

パソコンの前で 歌を聴きながら、いつの間にか岳夫はまどろんでいた……

ガタンゴトンと揺れる通学列車の中で 岳夫と晃子が並んで座っていた。

ラジオから流れる歌は……岳夫の青春……そのものである。

/

/

ブログランキング・にほんブログ村へ

« ミツバチの呟き | トップページ | ザ・ローズ♪ »

コメント

ああぁぁぁぁぁ この駅は懐かしいなぁぁ 遠い昔のあの駅だねぇ 汽車通学懐かしいな この物語に私の思いでも重なりまして 連休の穏やかな陽気で微睡み振り返らしていただきました 鳥さん 有り難うございました pencil 

投稿: しゅん | 2010年5月 4日 (火) 15時10分

しゅんへclover
  ね~ 懐かしい~ 木綿のハンカチーフ♪に胸キュンな思い出。。。 
  GWのまったりした時間の中で 忘れかけてた友の顔・・・
  思い起こさせてくれて 鳥さん ありがとうございましたconfident
  

投稿: なっち♪ | 2010年5月 5日 (水) 00時46分

出会い率99%を誇る、かってないサイトが登場!!自社独自の業者シャットダウン方法と、巡回によりシロウト率100%。ここで出会いが成功しない事は無いと、口コミで熱いサイトです

投稿: 出会い率99% | 2010年12月 4日 (土) 01時43分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1135118/34459232

この記事へのトラックバック一覧です: 永い人生の中で開ける ひとつの扉(鳥さん編):

« ミツバチの呟き | トップページ | ザ・ローズ♪ »